この前行った立ち食いそば屋でのことです。50歳くらいの男が暖簾をくぐってカウンターにつくと、滑舌の悪い不明瞭な声でかけそばを注文すると、それを聞き間違えた店員がたぬきそばを男に出しました。
そしてお代を要求すると、男はかけそばを頼んだんだが、といい、店員は済みませんでした。お代はかけの分だけで結構ですと言い、男はかけそばの値段でたぬきそばを食べることに成功したのだった。
たったの30円ではあったが男は立喰行為を成功させたのである。
私は隣でこのやり取りを見ていたのだが、男はちゃんとかけそば、と注文していたように思うのだ。だから残念ながらこの男はプロの立喰師では無いのかもしれない。しかしこれに味をしめ、21世紀になって立喰師がほとんど絶滅したなか活動を続ける立喰師として後世に名を残す「聞き間違えの○○」などとなることも有るのかもしれない。
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