以前にも非営利ライセンスの定義について考える記事を書いたが、今回は日本の著作権法第38条(営利を目的としない上演等)での営利についての考え方はは一つの参考になるのではないかと考えた。
第三十八条 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。第38条は著作権の制限規定で、一定の条件を満たせば、著作権者に許可を得ること無く上演等を行うことが出来るとしている。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html
その条件とは、
第38条では「上演し、演奏し、上映し、又は口述すること」が出来るとしているが、複製は許されていない。しかし、私は著作物の複製の本質で書いたように、著作物の複製の本質は人がその著作物を知覚することであって、複製、上演、公衆送信などの間に違いは無いと考えている。
したがって第38条の考え方はクリエイティブ・コモンズ非営利ライセンスの参考に出来るのではないかと考えた。
38条で示されている条件をCC-BY-NC(表示、非営利)でライセンスされた画像をほかのサイトに転載する状況に当てはめて考えてみる。
1.営利を目的としていない。
これはそのままで、営利企業でない、教育機関や非営利団体なら当てはまるだろう。また、多くの個人も当てはまるだろう。2.観客から料金を取らない。
サイトの場合は、閲覧者が観客となる。閲覧者が料金を支払わずにその画像を見ることができれば、これは当てはまる。3.出演者などに報酬を支払わない。
この場合は、出演者に当たる人はいないので関係ないと考えられる。以上の条件を満たせばCC-BY-NCライセンスのコンテンツを使えるということになる。
つまり、サーバへの料金の支払いは発生してもいいことになる。(劇場使用料を払っている)
では広告が掲載されている場合はどうか。
広告は観客から料金を取るものでは無いが、それでも1の営利を目的としていないに反する可能性が高いと思う。しかし、たとえばブログを利用している時に、ブログが掲載している広告については、収入がコンテンツ利用者に入るわけではないので、営利目的には当たらないのではないかと思う。
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