2015年3月10日火曜日

フランスの著作権団体SACEMのパイロット・プログラムで示された営利、非営利の定義について

SACEM-FAQ
クリエイティブ・コモンズジャパンのブログでこのような記事を見つけた。
フランスのJasracのような団体なのだろうか、SACEMという団体が行っているプロジェクトらしいのだが、そこで示されている営利非営利の定義がおかしいのではないかと思ったので指摘する。

まず、「営利目的であると考えられるライセンス作品の使用とはどのようなものですか?」という質問に対し、「金銭もしくはその他の形式・理由・動機に関係なく、また受益者が誰であっても、報酬を生じさせる作品利用。」という回答があった。
一方で、「非営利目的の利用とはどのようなものですか?」という質問に対し、「ブログやウェブサイトでのブロードキャスティング」という回答があった。
また、「クリエイティブ・コモンズ非営利ライセンスのつけられた作品のパブリック・パフォーマンス。ただしアーティスト出演料や照明、音響、会場料などの支出が発生しないもの。」という回答もあった。

とにかく金銭の移動が起きてはならないということなのだろう。
しかし一方でブログやウェブサイトでの利用を許可している。これはどういうことだろうか。ブログやウェブサイトを利用するのにも会場を借りるときのように支出が発生する。仮に無料で利用できたとしても、必ずどこかで報酬が発生しているはずである。また通信に使うプロバイダへの支払いはどうなのだろうか。「益者が誰であっても、報酬を生じさせる作品利用」という制限はナンセンスに思える。
これは揚げ足取りだろうか。

そしてもう一つ気になる文面がある。
「以下の使用が営利目的であるとみなされます(つまりNCライセンス下では許可されていない利用であり、SACEMの契約に従ってSACEMへの印税の支払いが発生します)」「つまりNCライセンス下では許可されていない利用であり」とはどういうことだろうか。
まるでクリエイティブ・コモンズの非営利ライセンスの具体的な定義であるといっているかのようだ。いつそんなことが決まったんだっけ。

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